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モンシロチョウ Pieris rapae crucivora

モンシロチョウ幼虫の雄と雌  ー1994年秋ー

1994年10月末の暖かい日、Kの幼稚園の花壇の菜の花の苗のあたりを数匹のモンシロチョウがヒラヒラと飛んでいた。葉にはあちこち穴があいていて、青虫がいくつかついていた。葉を裏返すと、とがった細長い卵が点々と付いていたので幼虫数匹と卵の付いた葉を一枚だけもらって帰った。

 その中の一番大きい幼虫は、背中で何かが動いていた。よく見ると、体の動きとともに動いているだけで自分で動いているのではなく、背中の後ろの方に左右に一対きれいに濃い緑色の斑が並んでいた。他の幼虫も見てみると、斑がないのもいた。雄と雌の違いなら、この斑のある幼虫は雄? 雌? 白菜をやって飼って、羽化させてチョウの雌雄を調べようとしたが、5匹の幼虫の1匹は冬ごしのさなぎになり、1匹だけ羽化した幼虫も羽が伸びず雌雄がわからなかった。

 モンシロチョウの約1mmの小さな卵は、顕微鏡で見るとカットグラスのように繊細な模様があって美しい。中には黄色くなりかけた卵もあったが、5個の卵から、黄色い1令幼虫がすべて孵化して、4令まで育ったが、羽化して成虫になったのは2匹だけだった。しかしこの2匹は、幼虫だったときに1匹には斑がありもう1匹には斑がなかった。

 12月の初めに2匹のチョウが羽化してきた。片方に印を付けて大きな水槽に入れたが、2匹とも羽を閉じたままでいっこうに開かないので、雄か雌かわからなかった。「紫外線が当たらないと相手がわからないのじゃないですか。」と聞き、ガラスごしに冬の長い陽射しを当てると、たちまちどちらも羽を広げた。幼虫に斑のあるのが雄で、ないのが雌だとわかった。


 「講談社カラー科学図鑑 モンシロチョウ」(1980 日高敏隆、山下恵子)には、「雄の幼虫では、背中側に赤くて丸い生殖器官があります。」と、書かれていた。多摩動物公園昆虫館の三枝博幸さんにもうかがったところ、「発達はしていないながらも幼虫にある精巣が、特にモンシロチョウなどのシロチョウ科には明確に現われてくるようです。これがあれば将来は、雄になると判別できるわけです。」と、親切にお返事を下さった。

(2011.1.1 1998年のHPより再掲 Yo)


 モンシロチョウの卵、幼虫、さなぎ、成虫  ー2021年夏ー


2021.8.4 暑い夏空の広がる日、小さな畑のアスパラ菜(アブラナ科アブラナ属の1品種)のやわらかい葉の上をモンシロチョウがうろうろしていて、ときどき葉にとまりました。
 卵を生みつけている様子は見ていませんが、アスパラ菜の葉(特に裏側)を見るとモンシロチョウの卵が数個ついていました。その後、幼虫、さなぎもいました。


2021.8.4 11:51 モンシロチョウ夏型♀?と、右端のアスパラ菜の葉に白っぽい小さな卵が1つ 

2021.8.4 11:52 モンシロチョウ夏型♀? (黒い紋がくっきり透けて見えている)
2021.8.5. 6:20 卵
2021.8.5. 6:18 幼虫
2021.8.5. 17:47 さなぎ

(2021.9.2 追記 Yo)


 モンシロチョウの卵  ー2015年秋ー


2015.10.21 夕方小さな畑の上をモンシロチョウがヒラヒラと飛んでいたので、カブの葉の表と裏を見ると白い透明な卵や黄色くなった卵が数個ついていました。

2015.10.21.16:55
2015.10.21.17:02
2015.10.21.17:10

2015.10.22~24 見つけた卵は除去しても、朝夕にカブの葉を調べると、モンシロチョウの卵が見つかります。同じ葉には1個ずつ(多くても2個)と、分散させて産んでいるようです。ほとんどは葉の裏側に産みつけていました。

2015.10.22.9:02
2015.10.22.9:03
2015.10.22.15:36
2015.10.23.10:49
2015.10.24.9:03
2015.10.24.9:06
2015.10.24.9:10
2015.10.24.9:15
2015.10.24.17:06

(2015.10.25 追記 Yo)



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