日高敏隆先生がたずさわられた本 6
―動物 その適応戦略と社会 シリーズ第9巻(全16巻 寺本英 日高敏隆 監修)―
「魚類の性転換」中園明信・桑村哲生(編)、1987年
(東海大学出版会、1987.10.5 初版発行、B6判、283p)
1 魚類にみられる雌雄同体現象とその進化: 余吾 豊 |
表紙カバーは後に変更 |
『...従来は個々独立にすすめられていたこれらの研究を、そうした総括的な問題意識の上に立って研究を推し進め、統一的な理論的基盤を構築する目的で、1983年に3年間のプロジェクトとして文部省科学研究費の特定研究「生物の適応戦略と社会構造」がスタートしました。.....(「刊行にあたって」寺本英 日高敏隆 1986.1より引用)』と、書かれているように、
研究材料的にも研究者的にもボーダーレスに広範囲にわたって行なわれた共同研究(代表者:寺本英先生)の興味深い成果の数々を、研究者のみならず一般の人達にも公開するために出版されたシリーズの中の1冊のようです。
そして私が和歌山県白浜にいた1986年2月18-19日に、京都大学瀬戸臨海実験所で開催された「魚類の性転換に関するシンポジウム」を土台として、おもにそのときの発表者によって執筆されているそうです。瀬戸臨海実験所では、前年の1985年6月にも同じ特定研究の「甲殻類研究会」があり、日高敏隆先生はじめ多くの様々な分野の研究者の来訪があり、熱い議論がかわされました。
図9-1 ムラサキウニに隠れすむムラサキヤドリエビAthanas kominatoensis
(2014.2.11. Yo )
以下は「動物 その適応戦略と社会」(東海大学出版会)シリーズの残りの15巻のタイトルです。 01 なわばりの生態学 -生態のモデルと空間パターンの統計- 02 繁殖戦略の数理モデル 03 独居から不平等へ-ツヤハナバチとその仲間の生活- 04 狩りバチの社会進化-協同的多雌性仮説の提唱- 05 チビアシナガバチの社会 06 トンボの繁殖システムと社会構造 07 鳥類の繁殖戦略(上) 08 鳥類の繁殖戦略(下) 10 屋久島の野生ニホンザル 11 ニホンザルメスの社会的発達と社会関係 12 繁殖行動と適応戦略 -ニホンザル集団を中心に- 13 道具の起源 -類人猿から初期人類への道具行動の発展- 14 災害と人間行動 15 コウモリの生活戦略序論 16 ホタルのコミュニケーション |
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