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ナナホシテントウ Coccinella septempunctata

ナナホシテントウの雄と雌  ー1994年春ー

 1994年春、宅地造成したまま放置された空き地にこの年もセイタカアワダチソウが伸び始め、その茎の先の方には真っ赤なアブラムシがびっしりと付いて、そのアブラムシを食べにいろんなテントウムシが集まっていた。E、Kとナナホシテントウの成虫を5匹つかまえて、ガーゼで蓋をした容器に入れておいた。餌にはアブラムシのついたセイタカアワダチソウを水にさして中に入れた。

 翌日の4月18日、細長い黄色い卵をかためて17個産み付けてあった。それから5日目の夕方、卵の先が一斉にはじけて、黒くなった幼虫が出てきて、固まってじっとしていた。翌日の昼ごろ、それぞればらばらに動きだし、約1mmの1令幼虫は自分より大きなアブラムシをほおばり出した。

 幼虫が葉や茎におしりを付けて脱皮すると、黒い三角帽子のような脱皮殻を残すので、毎日餌を替えるときに、セイタカアワダチソウの葉や茎をよく見て、この三角帽子の数を数えて、脱皮した幼虫の数を調べた。

 脱皮の時期は、1回目の脱皮からずれてきて、毎日何匹かが脱皮した。4令幼虫は、おしりを付けて皮を脱ぐと、きれいなオレンジ色の体全体を上下にバタバタ振って皮をたぐり寄せて皮はひっ付けたままさなぎになった。13匹が4令幼虫になったが、2匹逃げて、1匹は調子が悪くなって死んだので、さなぎになったのは10匹だった。


 さなぎから羽化する成虫の雌雄を知りたかったが、ナナホシテントウの雄と雌は、頭も胸も全く同じ模様で見分けがつかなかったので、野外で交尾のためにおんぶしていた虫を採ってきて、上の雄、下の雌と分けて、油粘土に押し付けて動かないようにして、腹部を双眼実体顕微鏡で観察してスケッチした。

 羽化してくる成虫を、別々のプラスチックのカップに入れた。そして、顕微鏡で見るときは、平たい透明のカップに入れかえ、底に付いたらひっくり返して雌雄を判定した。雄はやや小ぶりで、肉眼でも腹部を見ればだいたいはわかるようになった。

 羽化したナナホシテントウは、雄6匹、雌4匹と性比に片寄りはなく、雌雄による羽化時間の違いやさなぎの期間の違いはなかった。

(2011.1.1 1998年のHPより再掲 Yo)


 ナナホシテントウの幼虫の飼育: 羽化をめざして  ー2021年春ー


 2021.4.8. ソラマメVicia fabaの葉の裏にナナホシテントウの卵がついていました。
 2021.4.17. 夕方、雨があがり卵を見ると幼虫4匹が孵化していて、幼虫が散らばる前にと、葉ごと切り取ってプラスチック容器に入れました。翌朝、道端で見つけたソラマメヒゲナガアブラムシがたくさんついたソラマメ属のヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)Vicia angustifoliaを水にさして、幼虫のついた葉とともにプラスチック製の虫かごに入れ、ガーゼでふたをして、4匹の幼虫を飼育することにしました。

 1994年には気軽に撮れなかった写真を撮りました。写真を見て、老眼ではわからなかった羽化するときに落下防止のため体を殻とつなぎとめる糸があること、羽化したての前羽にしわがあり、伸びきってピカピカになってから後ろ羽を伸ばすことがわかりました。


2021.5.8. 3:21 成虫D

羽化のとき体を固定する糸

5.8. 4:38 底で羽化し前羽にしわのある成虫C

 詳しくは、「ソラマメ畑のテントウムシ」のページ後半の写真を見てください。
 1齢幼虫2021.4.17~20 ・ 2齢幼虫2021.4.21~23 ・ 3齢幼虫2021.4.23~25 ・ 4齢幼虫2021.4.25~29 ・ 前蛹2021.4.29~5.1 ・ 2021.5.1~8 ・ 成虫2021.5.7~8

(2021.5.11 追記 Yo)


 ナナホシテントウの卵  ー2019年春ー


 2019.3.31 小さな鉢植えのクモマグサの花茎などについたアブラムシを採ろうとしたら、ナナホシテントウがついていて、花茎を1つ1つ登っては降りてくまなく歩き回ってとって食べているようでした。


2019.3.31. 14:37 ナナホシテントウ

2019.3.31 14:44 ナナホシテントウ♀
2019.3.31 14:46 ナナホシテントウ♀

 約2時間後に見ると、成虫はいなくなっていて、ナナホシテントウの卵が17個、鉢植えのクモマグサの花びらの裏に付いていました。


2019.3.31. 16:30 ナナホシテントウの産みたての卵? (小さな黒灰色の点はアブラムシ)

2019.4.2 7:57 ナナホシテントウ産卵2日目の卵

2019.4.6 16:19 ナナホシテントウ産卵6日目の卵

 2019.4.7 昼の間に風などで、花茎や花がからまり卵の付着場所が変わっていました。


2019.4.7 10:19 ナナホシテントウ産卵7日目の卵

2019.4.7 15:23 付着場所が変わった卵

 2019.4.12 ナナホシテントウの卵のいくつかが黒くなっていました。


2019.4.11 9:57 ナナホシテントウの産卵11日目の卵

2019.4.12 16:21 産卵12日目の黒ずんだ卵

 2019.4.13 10:15 ナナホシテントウの幼虫が数匹孵化していました。写真を見ると、背部に毛虫のような毛束が見えます。(前日19:53には孵化していませんでした。)


2019.4.13. 10:15 ナナホシテントウの産卵13日目に孵化した幼虫

2019.4.13 10:16 ナナホシテントウの孵化した幼虫

2019.4.13 10:15 ナナホシテントウの孵化した幼虫

2019.4.13 13:04 ナナホシテントウの孵化した幼虫

2019.4.13 13:04 ナナホシテントウの孵化した幼虫

 2019.4.15 残っていた黄色い卵は孵化しませんでした。


2019.4.15. 10:33 ナナホシテントウの孵化2日目の幼虫

2019.4.15 13:08 孵化2日目の幼虫

2019.4.16 10:58 孵化3日目の幼虫

2019.4.16 10:59 孵化3日目の幼虫

2019.4.16 13:27 孵化3日目の幼虫

 2019.4.17 ナナホシテントウの幼虫の姿は確認できませんでした。


(2019.4.17 追記 Yo)



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