memory

思い出の本 1


 「わかやまの生物」きのくに叢書2、南紀生物同好会編、1979年

     (帯伊書店、1979.9.1 初版発行、351p)


カバー表紙:キイジョウロウホトトギス

カバー裏表紙:トラフケボリタカラガイ
乾風 登
井上淑美
池辺進一
石原将弘
今岡 亨
今福道夫
臼杵秀昭
内田紘臣
内海冨士夫
木下慶二
黒田隆司
桑村哲生
小郷一三
小林直正
後藤 伸
坂本俊雄
坂本祐二
清水昭治
諸喜田茂光
鈴木倫明
杉本允三
杉本秀清
田名瀬英明
辰喜 洸
玉井済夫
玉置文則
外山秀松
時岡 隆
奈良 一
中嶋康裕
中嶌章和
難波武雄
西川輝昭
西村三郎
布村 昇
原田英司
深尾隆三
深瀬 嶔
福井正二郎
福井康雄
福田照雄
細田徹治
真砂久哉
前川慎吾
前田亥津二
牧 岩男
松井 進
松浦 誠
的場 績
水口博也
水野泰邦
湊 宏
宮下 盛
宮脇民子
村田 修
森野 浩
安田 徹
山西良平
山本泰司
山本虎夫
山本佳範
柳沢践夫
柳沢康信
吉田 謙
吉田元重
米田 宏
和田恵次
(五十音順)

 わかやまの、人里、森林、山、南方系、池と川、海浜、磯、浅い海、深い海、沖合、とさまざまな場所にいる生き物について、動物も植物も、「大はクジラからプランクトンまで(朝日新聞和歌山支局長 吉井梗一「序」より引用)」が写真やイラストとともにとりあげられていて、本当に豊かな自然が思い起こされるすてきな本です。

 数日前に実家の段ボールを開けてみるまで、この本のことはすっかり忘れていました。ページをめくっていると見覚えのあるヒザラガイのスケッチがあり、いっしょうけんめいに実物を見て描いた記憶だけがよみがえりました。まだ大学生の私に山本虎夫さんがすすめてくださったのだと思います。白浜臨海のサマーハウスの、山本虎夫さんが発表された「トラフケボリタカラガイ」の写真が飾られ資料に埋もれたそんなに大きくない部屋が思い出されます。生き物に興味があれば誰にでも親しく話しかけてくださいました。

 『...刊行のきっかけを作ってくださったのは、本会顧問の内海冨士夫先生である。朝日新聞和歌山版の連載が二百編を超えたころ、新聞切り抜きの束を手にされ、「これは紀州の生物相の有益な紹介になる」といわれた。.....』(南紀生物同好会長 山本虎夫「あとがき」より引用)

 『本書は、昭和四十九年一月十日から昭和五十二年十二月二十二日までの期間、朝日新聞和歌山版に「わかやまの生物」と題した読物シリーズとして連載された、和歌山に産する動植物に関する三百余編の図入りエッセーを精選し、再編成したものである。
 万葉のむかしより環境悪化の途をたどる和歌山の風土に、どんな動植物が生きぬいてきたかを知るために、格好の読み物といえる。.....』(昭和五十四年二月 京都大学名誉教授 内海冨士夫「序」より引用)
 序文を書かれこの本の完成を待ち望まれていた内海冨士夫先生は、その上梓を待つことなく逝かれたと「あとがき」に書かれていました。

(2013.10.5. Yo )



 原図が後から出てきました。リアルに描こうとして一生懸命描きすぎて真っ黒でした。編集の方々にたいへんお世話になり、上のようにすっきりとしていただいたようです。


 朝日新聞夕刊の記事です。
この本が出てから14年後に、山本虎夫さんは81歳で亡くなられました。

(2013.10.18. Yo 追記 )


→memory Top

ページのトップへ戻る