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大阪市立自然史博物館のマッコウクジラ         -2013年6月28日-
 Physeter macrocephalus Linnaeus, 1758   (sperm whale)

(ハクジラ亜目 マッコウクジラ科)  

2016.4.15撮影(左がマッコウクジラ、右がナガスクジラです。2014年春に博物館玄関ポーチにつり下げられました。)

2013.6.28撮影

 第44回特別展「いきものいっぱい大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」(7/20〜10/14)

のための「マッコウクジラの全身骨格標本の搬入・組み立て」に応募して取材しました。

 このマッコウクジラは2010年5月に大阪湾の堺泉北港に死亡漂着した体長9.1mのメスで、自然史博物館が回収し、ボランティアの人達も参加して解体して骨格標本として収蔵されたそうです。1990年に同じく堺泉北港に死亡漂着したヒゲクジラ "ナガスクジラ"の骨格標本に、ハクジラ(歯があるクジラ)"マッコウクジラ"の骨格標本が加わりました。

 なにわホネホネ団団長さんに見せていただいたマッコウクジラの以下の図を見ると、骨のないところ、特に頭部に肉質がいっぱいありそうで、解体作業の困難さがしのばれました。繊維のあるメロンのようだったという学芸員の方も...。

「鯨類・鰭脚類」、西脇昌治著 薮内正幸画、東京大学出版会、1965 

   細長い下あごに歯が並んでいます。この口でダイオウイカも食べていたとか...。
   上あごにも歯がありますが骨と直接ついていないために、別に展示されるそうです。 


   なぜか非対称な頭蓋骨。マッコウクジラは右側が発達しているとか...。 


   頭蓋骨を後ろから見たところ。まん中の穴の中の小さな空間に脳があるそうです。
   組み立てが終わり、この穴は見ることができなくなりました。 


   左右の耳骨。これも見ることができなくなりました...? 


   肋骨を頭の方から撮影。


   クジラの手(前肢骨格)。


   下の写真の一番左につりさげられている寛骨(かんこつ)と呼ばれる小さな骨は
   骨盤の一部(骨盤の痕跡)にあたり、丸いでっぱりは、大腿骨の痕跡だそうです。 


   並んでつりさげられているV字骨とよばれる骨は、横から見るとY字型をしています。
   Vの中を神経が通り、V字骨はカンガルーなど尾をよく動かす動物で見られるそうです。 


   主役のフナムシくんもいろんな海の生き物といっしょに大阪湾からやって来ていて、
  開催を待っていました。

 第44回特別展「いきものいっぱい大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」(7/20〜10/14)


ーマッコウクジラの全身骨格標本の搬入・組み立ての様子 2013.6.28ー 

10:20 博物館に着くと、トラックヤードでは、荷下ろしが終わりかけていました。

10:22 大きなエレベーターにのせて展示会場(ネイチャーホール)のある2階へ。


10:25 2階で胸部をクレーンでつりあげて頭部と高さ合わせ。

10:30 展示室に運び込み。      10:50 クレーンを使って上がった尾部も展示室に。


10:55 調整と固定、小さな骨の取り付け。

11:10 心棒を入れて組立て完成、展示位置に移動。

11:45 部屋を後にしましたが、最後の完成作業は続いていました。


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