ウミウシ5種の産卵とベリジャー幼生の孵化
ー 2016年5〜6月ー
沖縄で採取されたウミウシ5種を水槽またはプラスチック容器に入れて約1ヶ月飼育して、産卵後まもなくの卵塊とベリジャー幼生を見ることができました。
クチナシイロウミウシ
(裸鰓目) |
ヒメコモンウミウシ
(裸鰓目) |
ハナミドリガイ
(嚢舌目) |
ムラサキウミコチョウ
(頭楯目) |
キイロウミウシ
(裸鰓目) |
2016.5.11. 14:39 クチナシイロウミウシと卵塊
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2016.5.14. 10:24 ヒメコモンウミウシと卵塊
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2016.5.18. 15:26 ハナミドリガイと卵塊
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2016.5.22. 8:52 ムラサキウミコチョウと卵塊
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2016.5.10. 14:38 キイロウミウシの交接姿勢
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2016.5.21. 14:04 キイロウミウシと卵塊
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- キイロウミウシとムラサキウミコチョウは2個体いて交接も確認されました。
- クチナシイロウミウシ・ヒメコモンウミウシ・ハナミドリガイは1個体だけでの、交接後1〜2週間以上たってからの産卵でした。
- ヒメコモンウミウシは1個体だけで2回産卵し2回ともベリジャー幼生が孵化しました。(2回めは、交接後約1カ月以上しての産卵でした。)
月日 | クチナシイロウミウシ1匹 体長31mm |
卵塊 | ヒメコモンウミウシ1匹 体長21mm |
卵塊 | ハナミドリガイ1匹 体長16mm |
卵塊 | ムラサキウミコチョウ2匹 体長15,16mm |
卵塊 | キイロウミウシ2匹 体長32,36mm |
卵塊 |
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1匹採集・隔離 | ||||||||||
1匹採集・隔離 | ||||||||||
ハナミドリガイとムラサキウミコチョウは、毎日水槽の水を入れ替えた水深約3cmの小さな容器。
水温 23度〜27度 ☆印は、交接を確認
クチナシイロウミウシ Hypselodoris whitei (Adams & Reeve, 1850) (裸鰓目 イロウミウシ科)
産卵6日めの卵塊の一部
5.17 23:00 (写真わく:3mmx3mm)
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孵化日のベリジャー幼生
5.18 9:03 (2mmx2mm)
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孵化4日めのベリジャー幼生
5.22. 8:27 (500μmx500μm)
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ヒメコモンウミウシ Goniobranchus rufomaculatus Pease, 1871 (裸鰓目 イロウミウシ科)
産卵日の卵塊
5.14 8:09 (写真わく:8mmx8mm)
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産卵4日めの卵塊の一部
5.18 20:58 (2mmx2mm)
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孵化直後のベリジャー幼生
5.21 8:45 (500μmx500μm)
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孵化日のベリジャー幼生
5.22 8:18 (写真わく:1mmx1mm)
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孵化4日めのベリジャー幼生
5.26 10:12 (1mmx1mm)
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孵化5日めのベリジャー幼生
5.27 9:32 (1mmx1mm)
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ベリジャー幼生の貝殻
5.30 10:27 (写真わく:1mmx1mm)
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2回めの産卵の卵塊
6.4 11:38 (8mmx8mm)
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孵化直後のベリジャー幼生
6.6 19:26 (500μmx500μm)
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ハナミドリガイ Thuridilla splendens (Baba, 1949) (嚢舌目 チドリミドリガイ科)
産卵日の卵塊
5.18 15:37 (写真わく:2mmx2mm)
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産卵3日めの卵塊の一部
5.21. 8:55 (1mmx1mm)
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産卵4日めの卵塊の一部
5.22. 9:03 (1mmx1mm)
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産卵5日めの卵塊の一部
5.23 9:57 (写真わく:1mmx1mm)
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孵化直後のベリジャー幼生
5.23 22:28 (1mmx1mm)
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孵化7日めのベリジャー幼生
5.30 10:10 (500μmx500μm)
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ムラサキウミコチョウ Sagaminopteron ornatum Tokioka & Baba, 1964 (頭楯目 ウミコチョウ科)
産卵3日めの卵塊
5.21 7:51 (写真わく:8mmx8mm)
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産卵9日めの卵塊の一部
5.29 10:59 (写真わく:2mmx2mm)
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産卵9日めの卵塊の一部
5.29 11:00 (1mmx1mm)
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孵化日のベリジャー幼生
5.31 11:21 (写真わく:1mmx1mm)
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孵化日のベリジャー幼生
5.31 11:12 (500μmx500μm)
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孵化日のベリジャー幼生
5.31 11:07 (500μmx500μm)
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キイロウミウシ Doriprismatica atromarginata Cuvier, 1804 (裸鰓目 イロウミウシ科)
産卵2日めの卵塊
5.23 10:05 (写真わく:4mmx4mm)
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産卵6日めの卵塊
5.27 8:53 (8mmx8mm)
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産卵6日めの卵塊の一部
5.27 9:19 (2mmx2mm)
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産卵7日めの卵塊
5.28 9:25 (1mmx1mm)
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産卵10日めの卵塊
5.31 10:31 (1mmx1mm)
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産卵13日めの卵塊
6.3 10:28 (4mmx4mm)
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産卵13日めの卵塊
6.3 10:32 (1mmx1mm)
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産卵16日めの卵塊
6.6 19:40 (1mmx1mm)
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産卵22日めの卵塊
6.12 9:38 (1mmx1mm)
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キイロウミウシの大きめの幼生は、産卵6日目に水槽からとり出して入れた小さな容器の卵塊の中でまだ生きて動いていますが、卵塊全体を藻類がおおって出てこれないのか?、まだ孵化していません。
(2016.6.9. Yo )
クチナシイロウミウシのその後
クチナシイロウミウシが、前回の産卵から1カ月後に1匹で2度めの産卵をしましたが、未受精卵のようで発生は進まず、やがて崩壊しました。
産卵2日めの卵塊
6.12 9:32 (写真わく:8mmx8mm)
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産卵3日めの卵塊
6.13 8:01 (3mmx3mm)
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産卵3日めの不規則な卵
6.13. 20:15 (1mmx1mm)
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キイロウミウシのその後
キイロウミウシの卵塊は藻類におおわれ孵化しそうになかったのでそろそろ片付けようと思い、藻類をピンセットではがして、断片にして、ピペットで吸ったり出したりしてバラバラにしたところ、生きている幼生が数匹みつかりました。
貝殻をつけてまわっているもの、貝殻なしでまわっているもの、貝殻を付けてゆっくり動いているもの、貝殻なしで這うようにゆっくり動いているものがいました。貝殻はおわんのようで、とれやすそうな形でした。
ヴェリジャー幼生の貝殻
6.18 11:24 (写真わく:1mmx1mm)
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ヴェリジャー幼生の貝殻
6.19 9:01 (500μmx500μm)
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産卵28日めの幼生
6.18 11:30 (500μmx500μm)
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産卵28日めの幼生
6.18 11:26 (500μmx500μm)
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産卵28日めの幼生
6.18 12:07 (500μmx500μm)
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産卵28日めの幼生
6.18 12:17 (500μmx500μm)
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(2016.6.20. Yo 追記)
キイロウミウシのさらにその後
3日前にキイロウミウシの卵塊をバラバラにしたものを入れたシャーレを覗いてみると、生きているウミウシの幼体(体長約0.6mm)が3匹見つかりました。
触角もついていて、すべるように速く進みます。
産卵31日めのウミウシの幼体
6.21 11:46 (写真わく:1mmx1mm)
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産卵31日めのウミウシの幼体
6.21 11:50 (500μmx500μm)
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産卵31日めのウミウシの幼体
6.21 11:50 (500μmx500μm)
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(2016.6.21. Yo 追記)
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